ちょいワルの味方!Vゾーンをおしゃれに着こなそう

Vゾーンを魅せるYシャツとネクタイ

Vゾーンを魅せるYシャツとネクタイ

■「ちょいワル」の魅力的なVゾーン

スーツの次はVゾーンの話である。Vゾーンとは、背広やジャケットを着用したときの前の開きから襟元にかけたV字型の部分を指し、ここが着こなしの重要なポイントとなる。こういうと、スーツはどうでもよいのかと言われそうだが、もちろんそうではない。背広やジャケットスタイルの話なので、当然そちらも十分に気を使い吟味して選ぶことは大前提だ。その上で、どれほどスーツやジャケットとパンツ(ジャケパン)がよくても、Vゾーンが決まらないと、せっかくのスーツやジャケパンも魅力あるものに映らないということである。

Vゾーンを構成しているものは、基本的には全部で3つ。背広(もしくはジャケット)とYシャツとネクタイである。基本的にというのは、タイピンやポケットチーフがプラスされる人がいたり、ノーネクタイのときもあったりするので、あくまでも基本の話である。これらのVゾーンを構成するアイテムが、それぞれ単体で見るとおしゃれでかっこいいとしても、コーディネートしたときにバランスが悪いと、せっかくのアイテムが逆効果となってしまう。「ちょいワル」の魅力的なVゾーンをつくるには、個別のアイテムとトータルコーディネートの両方が必要なのだ。

カジュアルな素材も人気

■英国の伝統的なレジメンタル

Yシャツも、昔はほとんどが白だったが、今ではかなり色や柄に幅が出てきている。チェックやストライプ、ドット(水玉)、淡色無地のもの、襟と袖の色を変えたクレリックシャツ、ステッチや襟、ボタンやボタンホールに個性を出したものなど、様々だ。さらに、クールビズの浸透や多様性を求める人の増加により、大柄なチェックや大胆なストライプ柄、かなり濃い目の色味のものなども目にする機会が増えてきている。また、襟の形も種類が多く、レギュラー、ワイド、ナロースプレッド、ボタンダウン、タブ、ピンホールなど、数え上げればきりがない。色、柄、襟の形などを自分の好みに合わせて、オンリーワンのものを選べるようになった。

ネクタイは、英国の伝統的なレジメンタル(「ノ」の字のような右上がりの斜めストライプ)や、アメリカ発祥のレジメンタルとは逆の、左上がりの斜めストライプの柄であるレップをはじめとしたストライプ柄、チェック、小紋、ドット(水玉)、無地などが一般的である。色に関しては、ありとあらゆる色があり、無地のものでも、凝った織り模様が入っていたり、光の加減で色が変わって見えるような、変化のある風合いのものもあったりする。ストライプやチェック、ドットといった定番の柄のものであっても、太さや大きさ、色の使い方で、シンプルなものからパッと目を引く大胆で華やかなものまで、より取り見取りである。小紋にしても同じで、モチーフもその大きさも、シックにまとまったものもあれば、いっそ奇抜とも思えるほどの個性的なものもある。素材はシルクが一般的だが、最近はウールやニットなどのややカジュアルな素材も人気が出てきているようで、色や柄にある程度の制限がかかってしまうスーツやYシャツに個性を出すために必要だったのだろう。

コーディネートの幅がさらに広がることは間違いなし

■ちょっと違う形のネクタイ

最後に、通常とはちょっと違う形のネクタイを紹介しよう。一般的なダービータイ(巾タイ、剣先型)やニットタイに多い角タイ以外に、大剣と小剣がまったく同じ幅のツインタイ、紐状のループタイ、ボウ・タイ(蝶タイ)、短いクロスタイ、クロスタイより少し長いアスコットタイなどがある。ツインタイは1本で二通りの締め方ができるタイプで、ループタイは年配の方が締めているのをたまに見かけることがある。クロスタイやアスコットタイやボウ・タイは、欧米ではフォーマルな場で締める礼服とされている。 これらは、スカーフやポケットチーフ以上に日本では馴染みがなかったり、オジサンくさいイメージがあったりして、一般的にはあまり定着していないが、もしこれらのタイを着こなせるようになると、コーディネートの幅がさらに広がることは間違いない。