ちょいワルの味方!Vゾーンをおしゃれに着こなそう

大人の男のインナー事情

大人の男のインナー事情

■インナーが必要不可欠

下着のことを、インナーウェア、もしくはアンダーウェアという。アンダー(アンダーウェア)はいわゆる「肌着」とも呼ばれるもので、インナー(インナーウェア)はもう少し幅広く、自宅で着用する部屋着やナイティ(パジャマ)も含まれる。インナーを、アウター(コートやジャケットなど)と比較してその内側に着用するTシャツなどと認識している人もいるようだが、これは間違いだ。「ちょいワル」にも、こうしたインナーが必要不可欠であることは、これまでに言及してきたとおりである。

男性のインナーウェア

■白い丸首シャツに、白いブリーフ

昔は、男性の下着といえば、白い丸首シャツに、白いブリーフというのが定番だった。もしかしたら、今でもそうだ、という男性もいるかもしれない。これは、ほぼすべての女性が自分の下着を自分で購入するのに対し、未だ多くの男性が、家族に下着の購入を依存している、ということの表れである。男性が女性下着のコーナーに足を向けづらいのと同じように、女性だって男性下着のコーナーに長居はしづらい。また、自分のものでなければ、いかに家族のものであっても、自分のものを買う程のこだわりや情熱をもって購入はしないし、何より家計を預かる身としては、そこそこ品質が良くて安くて長持ちするものが一番だ。結果として、前述したような何の変哲もない、色気もそっけもない白いシャツとブリーフということになってしまう。

しかし、現在は男性のファッションが多様化し、男性自身が身だしなみなどを以前よりは気にするようになってきた。オシャレや身だしなみに気持ちが行くようになれば、下着(インナー)にも意識が向くようになるのは、当然といえば当然の流れである。そこで、下着メーカーも男性が自分で買いに行きたくなるような機能をもつ男性用インナーを開発、販売することとなり、現在では様々な男性用のインナーが販売されている。それでも、2012年当時、男性のインナーウェア市場は、女性のインナーウェア市場の1/3強程度である。もっとも、女性に比べると、男性のインナーは種類が少なく、1つあたりの単価も女性インナーほど高くはないものが多いため、一概に比較検討することはむずかしいかもしれない。

インナーはオシャレな男性にとって、欠かせないものとなった

■圧倒的なグンゼ

昔は男性の下着メーカー(ブランド)といえば、圧倒的にグンゼだった。その後、カルバンクライン、ヘインズ、B.V.D、トゥートなどが登場し、女性下着メーカーのワコールやトリンプも男性市場に参戦してくる。現在はアンダーアーマーやユニクロなども積極的に男性インナーを扱っており、そうした新興勢力に苦戦を強いられていたグンゼも、かつての独占的市場とまではいかないまでも、人気下着ブランドの上位に名前を連ねる程に復調している。他にも、インナーの分野にまで商品を広げてきている服飾ブランドが数多くあり、男性特有のこだわりに答えられる、市場へと発展した。

ここまで、多くの下着ブランドが出てきた背景には、見えないインナーにもこだわりたいという男性の増加により、男性インナーに多様性が出てきたことと、様々な機能を付加したものが開発、販売されていること、さらにはそれらの中の爆発的な人気商品を背景に、よく似た機能をもつものを、他のメーカーが相次いで販売されたことなどがある。下着ブランドにも、それぞれ自社の得意分野があり、その多様性を支えている。例えば昔はブリーフしかなかったものが、現在ではボクサーブリーフ、トランクスなど好みに応じて選べるということである。シャツにしても、白以外の色があったり、コットン以外の素材が使用されていたり、身体にぴったりとした形状のものが出てきたりしている。また、下着ブランドやそのブランドが開発したインナーがメディアに取り上げられ、ファッションとの関連性までが取りざたされたことも、その背景のひとつといえるが、湿度が高く、亜熱帯に近い日本において、こうしてインナーはオシャレな男性にとって、欠かせないものとなった。